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今回は、開発開始から現在までの読み物ということで、まとめてみました。
まあ、誰も興味がないでしょうが、自分の記憶ということで許してください。
はじめに
田んぼに囲まれた家で米と野菜を育てながら、休日はバイクで日本中を走り回っている。そんな55歳の自分が、2026年3月17日、人生で初めてXcodeを開いた。
きっかけはとても単純なものだった。Windows時代からずっと愛用していた漫画ビューアと同じくらい快適に、Macでも漫画を読みたかった。ただそれだけだった。
それから3ヶ月。気がつけば自作アプリ「Momon Manga-View」は、日本のMac App Store Bookカテゴリで2位(Kindleの次)あたりに落ち着いていて、ダウンロード数も700件を超えていた。広告は一度も出していない。
正直、自分でも「なんでこうなったんだろう」と思うところがある。せっかくなので、ここまでの3ヶ月を振り返ってみたい。
3月17日〜:開発スタート
開発を始めたのは2月下旬あたり。Xcodeという文字すら見たことがない状態からのスタートだった。ZIP・RAR・CBZ・CBRといった圧縮ファイルを、解凍せずそのまま読める漫画ビューアを作りたい。それが最初の目標だった。
3月17日にApp Storeへ提出する準備が整い、思っていたより早くデベロッパー登録も済ませることができた。1週間後にはApp Storeでの配信にこぎつけていて、自分でも「もう公開していいのか」と少し戸惑ったのを覚えている。
その短い期間で、圧縮ファイルを扱うためのエンジン組み込みや、App Sandboxの審査対応、コード署名など、初心者がつまずきやすそうなところを一つずつクリアしていった。リリース直後には12言語のストア説明文も整え、アプリ自体も7言語に対応させた。
3月下旬〜4月上旬:少しずつ広がっていく実感
リリースから2週間ほど経った頃、Bookカテゴリで3位〜20位前後をうろうろするようになっていた。コンバージョン率(プロダクトページを見た人がダウンロードしてくれる割合)も9%台と、思っていたよりずっと良い数字が出ていた。
そんな中、ちょっとした発見があった。ほとんど誰も読んでいないはずの個人ブログに、海外からのアクセスが増えていたのだ。よく見てみると、ブラジルや中国、インドネシアのユーザーが、ブログに載せていた多言語版の取扱説明書を見つけて訪れてくれていた。
アプリの多言語版がまだ審査待ちだったタイミングで、すでに世界のどこかでこのアプリを探してくれている人がいる。それを知ったときは、なんとも言えない嬉しさがあった。すぐにブログのマニュアルページにApp Storeへのリンクを置いて、見つけてくれた人がそのままダウンロードできるようにした。
4月:ユーザーの声に向き合う日々
4月はとにかく機能を作り込む日々だった。ライブラリ管理、ブックマーク、シリーズの自動整理、見開きの自動判定など、使う人にとって自然な動きになるよう、一つずつ手を入れていった。
レビューが届くたびに、できるだけ丁寧に返信するよう心がけた。「マウスでスワイプ操作ができない」という声には数日でマウス対応版を出し、「ブックマークが一部だけ消したいのに全部消えてしまう」という不具合にもすぐに対応した。
ある時、要望に応えてアップデートしたことをきっかけに、課金してくださったユーザーがいた。「要望を出せば対応してもらえると思い、課金しました」という言葉をレビューでもらえたときは、本当にありがたかった。
ゴールデンウィークはダウンロード数が一段と伸びた時期で、その後も水準が落ちることなく、じわじわと積み上がっていった。
5月:思いがけない広がりと、SSTR
5月に入ると、データに少し面白い動きが見えるようになった。中国本土から毎日のように小さなダウンロードが入るようになり、ある日はガーナからも初めてのダウンロードがあった。
調べてみると、その多くはApp Storeのおすすめ表示経由だった。自分では何もしていないのに、Appleのアルゴリズムが少しずつこのアプリを世界に紹介してくれているようだった。
5月31日には、40年選手のSUZUKI SX200という古いバイクで、SSTRというツーリングイベントに参加した。アプリ開発の合間を縫っての参加だったけれど、なんとか3年連続で完走することができた。
6月:いくつかの節目と、フィーチャーへの応募
6月は節目が続いた月だった。8日には累計ダウンロード数が600を超え、14日には累計売上が100ドルに届いた。そして16日、3ヶ月の区切りとして、AppleのフィーチャーにMomonを応募してみることにした。タイトルは「Windowsの名作漫画ビューアを超えるMacのビューアを目指して」とした。
応募した翌日、6月17日は55歳の誕生日だった。その日の累計ダウンロード数は617件。当初なんとなく立てていた予想を、結果としてかなり上回っていた。
評価は4.4(37件のうち5つ星が22件)まで積み上がり、コンバージョン率は13.86%とまずまずの水準を保ち続けていた。
ここまでの3ヶ月を振り返って
開発を始めてから配信まで、思っていたよりずっと早かった。リリースから3ヶ月で、ダウンロード数は700件を超え、Bookカテゴリでは2位あたりに落ち着いている。評価は4.4、対応言語は16言語、ダウンロードしてくれた国は日本・中国・韓国・米国・ヨーロッパ・ガーナなど10カ国を超えた。
広告費は一円もかけていない。すべて自然な広がりと、Appleのアルゴリズムによるものだ。
おわりに
Xcodeを触ったこともなかった55歳が、3ヶ月でここまで来られるとは、正直あまり想像していなかった。
特別なことをしたつもりはない。あったのは「自分が本当に使いたいアプリを作りたい」という、ただそれだけの気持ちと、使ってくれる人の声にできるだけ丁寧に向き合おうとしたことくらいだ。
Windowsで親しんでいた漫画ビューアの心地よさを、Macでも味わいたい。その思いだけで始めたプロジェクトが、今では知らない誰かの読書時間を支えているのだと思うと、不思議な気持ちになる。
これから先がどうなるかはまだわからないけれど、田んぼの脇でバイクを眺めながら、次は何を直そうかと考える毎日は、なんだか悪くないなと思っている。